ISO 15189認定に必須の外部精度管理調査
臨床検査室がISO 15189認定を取得・維持するには、認定機関が認める外部精度管理調査(Proficiency Testing: PT / External Quality Assessment: EQA)プログラムへの定期的な参加が必須要件となっています。これらのプログラムは、検査室が測定する各検査項目について、第三者機関から送付される標準試料を測定し、その結果を他の参加施設と比較することで、検査精度の客観的評価を受ける仕組みです。
グローバル主要プロバイダー
世界最大規模の外部精度管理調査プロバイダーとして、College of American Pathologists (CAP)は1946年の開始以来75年以上の歴史を持ち、臨床検査および病理検査にわたる700以上のプログラムを提供、世界中の25,000以上の検査室が参加しています。CAPはCLIA(米国臨床検査室改善法)認定プログラムとしても承認されており、ISO認定を維持する品質基準で知られています。
Randox LaboratoriesのRIQASプログラムは参加規模で世界最大級を誇り、90,000以上の検査室が130カ国以上から参加。北アイルランドに本拠を置き、1982年設立以来、生化学・免疫学・血液学など幅広い検査領域をカバーしています。
LGC Limitedはイギリス・バリーに精度管理センターを持ち、グローバルPT市場の約19%のシェアを占めます。160カ国以上の13,000以上の検査室に対し、年間約2,000ラウンドのPTを実施しており、その専門性と信頼性は国際的に高く評価されています。
日本国内の主要実施機関
日本では2018年12月の医療法改正により、医療機関が自ら実施する検体検査について外部精度管理調査への参加が努力義務化されました。日本医師会は第57回(令和5年度)を数える歴史ある精度管理調査を実施しており、全国の医療機関が参加しています。
日本臨床衛生検査技師会(日臨技)は独自の精度管理調査を運営し、生化学・血液学・免疫学・微生物学など複数部門にわたるプログラムを提供。参加施設向けシステム(JAMTQC)を通じて結果報告や総合報告会を実施しています。
大阪府医師会は昭和48年度より新鮮血を使用した特徴的な精度管理調査を実施。「臨床検査技師等に関する法律」の「衛生検査所指導要領」における「外部精度管理調査」に該当し、年1回以上の参加が義務付けられています。
その他、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)は1985年設立、2020年に公益社団法人化し、小規模検査施設向けの外部精度管理調査を2022年度より開始。日本総合健診医学会も健診施設向けの精度管理調査を実施しています。
選択時の考慮事項
| 観点 | 確認内容 |
|---|---|
| 認定対応 | 目的とする認定制度(ISO 15189、CLIA、JCI等)で承認されているか |
| 検査項目カバレッジ | 自施設が実施する全ての規制対象検査項目に対応しているか |
| 頻度とスケジュール | 年間実施回数と試料配送スケジュールが業務フローに適合するか |
| レポート品質 | ピアグループ比較、統計解析、教育的コメントの充実度 |
| コスト | 参加費用と項目数のバランス、複数年契約割引の有無 |
ISO 15189認定審査では、PTプログラムへの参加実績、結果の評価、不適合時の是正措置まで一貫した記録が求められます。希少検査項目でPTプログラムが存在しない場合は、施設間比較(Inter Laboratory Comparison: ILC)プログラムの組織化または参加が代替手段として認められています。