冷却塔のレジオネラ属菌検査とは
建築物衛生法(ビル管法)に基づき、特定建築物に設置された冷却塔(クーリングタワー)の冷却水は、年1回以上のレジオネラ属菌検査が義務付けられています。レジオネラ属菌は冷却塔内で増殖しやすく、エアロゾル(水しぶき)として空気中に放出され、吸引することでレジオネラ肺炎などの重篤な感染症を引き起こす可能性があります。
法定検査の実施基準
厚生労働省の「レジオネラ症防止指針」では、特定建築物の冷却塔はリスクの高い時期(一般的には6~8月)に年1回の検査実施が推奨されています。冷却水中のレジオネラ属菌が100 CFU/100mLを超えて検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる必要があります。
検査方法と検査機関の選定
令和元年9月19日付の厚生労働省通知(薬生衛発0919第1号)により、レジオネラ属菌検査は培養法に限定されています。検査は厚生労働省登録水質検査機関または水道法に基づく登録検査機関など、精度管理に参加している信頼性の高い機関で実施することが重要です。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 採水 | 冷却塔の冷却水を滅菌容器に採取 |
| 2. 搬送 | 冷蔵状態(4℃前後)で検査機関へ郵送 |
| 3. 検査 | 培養法(熱処理・酸処理、選択培地使用) |
| 4. 報告 | 10~14営業日で検査結果報告書を発行 |
特定建築物の対象範囲
建築物衛生法における特定建築物とは、延床面積3,000m²以上(学校は8,000m²以上)の事務所、店舗、百貨店、興行場、学校、ホテルなどを指します。日本全国で約41,000件の特定建築物が登録されており、そのうち多くが空調用冷却塔を有しています。
レジオネラ症は、1976年のアメリカ在郷軍人会(Legion)での集団発生をきっかけに命名された感染症です。日本でも入浴施設や冷却塔を感染源とする事例が報告されており、適切な水質管理が公衆衛生上極めて重要となっています。